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伊藤雅雄  インバウンド旅行研究家
伊藤雅雄 インバウンド旅行研究家

訪日客の買物場所はスーパーがトップ


2015年12月15日

訪日客の買物場所はスーパーがトップ
外国人訪日客は「我々が普段買い物をしているお店」でショッピングを楽しんでいます。具体的にどこで買っているのでしょうか?
買い物場所別の数字を追ってみると、日本滞在中にスーパー・ショッピングセンターに立ち寄った人の割合は65%に達しています(データは複数回答)。次いで百貨店・デパートが5割強、コンビニエンスストアもちょうど半数の人々がそれぞれ立ち寄っています。家電量販店は報道等によると「訪日客で大にぎわい」とされていますが、統計では17%と意外と低率です。

注目すべきは、「観光地のお土産屋さんで購入した」との回答が3割を超えていることです。神社仏閣の門前町では、近くに大規模な小売店舗やコンビニエンスストアが全くない(免税対応の店舗が見つからない)という場所が多いことでしょう。このような地域で「TAX—FREE」といった看板を上げて集客を図れば、外国人訪日客が「何らかのフォローをしてくれる」と感じてお店に足を運んでくれる可能性が高まり、同業他店との差別化も図れます。

一方、「宿泊施設で買い物した」という回答は5%強にとどまっています。そもそも諸外国の宿泊施設内には、日本の旅館にあるような地方のお土産物を揃えた売店が設けられていないため、「宿をショッピングの場所」として捉える外国人はまずいません。「ホテルでの買い物は高くつく」と認識している外国人も多いでしょう。しかし例えば、「売店での土産物の購入で免税手続きが出来る」といった案内を行うことで、新たなビジネスチャンスも生まれるかもしれません。

免税ショッピング 訪日客 インバウンド集客

伊藤雅雄  インバウンド旅行研究家
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伊藤雅雄(いとうまさお)
大学在学中に、中国語と比較文化論、シルクロード史などを研究。卒業後、旅行代理店に就職するも、1997年の香港返還を機に、エッセイやコラム執筆、書籍制作に携わる編集者兼ライターに転向。過去25年以上にわたり、添乗や視察、取材などの目的で日本人が行きそうな外国の街のほとんどを訪れている。特に中国をはじめとするアジア各地に土地勘がある。

2007年夏より英国・ロンドンに在住。2014年からは「日本最大級の旅行情報サイト・トラベルコちゃん」のレポーターとして従事しているほか、バーチャル編集プロダクション・Watch! CLMBの編集主幹として、アジアの新興国に関する書籍の制作に携わっている。
著書に、日本を訪れる中国人観光客について論じた「中国人ご一行様からのクレームです(三修社刊)」がある。

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免税販売・ショッピングの手引き インバウンドへのアプローチ
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