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石田 奈帆美
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イギリス滞在記(3)~間接照明派?直接照明派?~


2016年11月23日

イギリス滞在記(3)~間接照明派?直接照明派?~
イギリスの古き良き住宅での暮らしの様子。先にロンドンに滞在した石田奈帆美さんがレポートします。
ロンドン滞在において、主に友人宅に泊まらせてもらったため、イギリスの古き良き住宅での暮らしの様子を僅かながら垣間見てきました。まずは、10年以上前の初渡英時の思い出について。

ー初めてのイギリスホームステイ時の、暗い記憶ー

初めてイギリスに渡航したのは、10年以上前の学生時代。大学の単位交換プログラムで、イングランド北部のとある街でホームステイをしました。私にとってこれが人生初の海外渡航。日本を出発し、到着先であるホームステイ先に着いたのは、恐らく夜10時を回っていたと思います。ホストマザーに出迎えられ、慣れないハグに戸惑いながらも鮮明に記憶しているのは、その部屋の暗さ。リビングは薄暗く、暖炉の照明が僅かに火照る程度でした。初めてのホームステイへの不安もあり、その薄暗さが一層安心感を欠いたことを今でも強く覚えています。

ー10年ぶりのイギリス渡航で気づいた、照明の使われ方の違いー

当時は3か月ほど滞在していましたが、他の家が夜どんな様子なのかはあまり知りませんでした。というより、移民や留学生の多い国のため生粋のイギリス人のお宅にお邪魔したことはさほど多くなく、また数件お邪魔したわりには強い記憶がないので、照明の使われ方にあまり意識を置いてなかったのだと思います。

今回10年ぶりのイギリス滞在でAirbnbとCouchsurfingを駆使した私は、ロンドンでの友人宅をはじめ、何軒かのお宅に滞在しました。中でも特に印象的だったのが、照明の使われ方です。

ー間接照明派?それとも直接照明派?ー

私の今の日本での住まいは、一般的な一戸建てです。リビングや寝室の照明は、白いカバーに覆われた蛍光灯です。間接照明にしたらオシャレだよな、ぐらいの感覚で、特に照明を意識したことはありませんでした。

しかし、今回ロンドンの友人宅にお邪魔すると、10年前に体験したあの薄暗い部屋と同じ空間がそこにありました。リビングの天井の中央に照明はなく、あるのは、間隔を置いて配置された小さな電球。そして暖炉に置かれたキャンドル。薄暗いけど、温かみのある空間でした。

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ーその照明って、ほんとに必要?ー

日常とは異なる慣れない空間だけれど、新鮮さと心地よさを感じました。築400年という重厚感も、温かさを感じやすくさせていたかもしれません。すると、日本での過度な照明の使われ方に、急に違和感と疑問が沸いてきました。日本の家を思い出してみると、どの部屋も発光の強い照明ばかり。家だけでなく、オフィスや商業施設でも溢れる照明と賑やかな電飾。

これらの照明って、必要な量が使われているのでしょうか?ものすごく過度な明るさなのではないでしょうか?

ー違和感だったガーナの住宅の照明ー

そういえば、ガーナ滞在時も照明について違和感を感じていたことを思い出しました。インフラが未発達な国の事情もあり、一般家庭では、屋内の照明は多くなく、部屋に一つ暗い豆電球が取り付けられていることが普通でした。シンプルさよりも色味のあるものを好むため壁はピンクや水色が多く、照明の暗さよりもその壁の色に気を取られることが多かったのですが、思い出せばどの家もほとんど薄暗い照明でした。

当時は、電力がないためだと思っていました。たしかにその理由もあるかもしれません。しかし、本来夜は暗い時間。日本より遥かに自然のリズムに沿って暮らす彼らは、照明においても自然のリズムに沿った使い方を取り入れているのかもしれません。

ー日本帰国時の衝撃ー

こんなように、照明について半ば意識的になっていた中、日本に帰国しました。すると、とある衝撃が。到着は成田空港第二ターミナル。こちらのターミナルを使うのは数年ぶりで、リニューアル後初めての利用でした。手荷物受取場を過ぎ、出口の扉を通り過ぎると、「ま、まぶしい............!!!!!!!」
あまりの眩しさに、本当に目を手で遮ったほどでした。というのも、改装されたターミナルは壁が一層白く綺麗になっており、照明がふんだんに使われていたのです。まさか、帰国直後にこのような場で照明の洗礼を受けるとは。。その後も、家や街中の照明に疑問を持ったことは言うまでもありません。

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日常あまり意識することのない照明ですが、必要な明るさが使われているのでしょうか?
過剰な照明により、体が自然のリズムに反していないでしょうか?
照明は、日々の暮らしの何気ない側面ですが、見直せられることはたくさんあるのかもしれないと思いました。

外国家屋での照明

石田 奈帆美
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