日本に全く住んだことがない「日本人」の存在を考える……
2016年11月23日
一言で「日本国籍者」と言っても、中には「日本のことを知らない日本人」「日本で全く暮らしたことがない日本人」もいます。どうしてそんなことが起こるのでしょうか、改めて考えてみましょう。
日本を知らない日本人がいる
「日本国籍」と一口に言っても、この中には「日本を知らない日本人」も含まれています。これは色々な理由があるでしょう。皆さんが一番に浮かぶのは、「国際結婚の子供」ではないでしょうか?まず、普通に国内に暮らす日本人の方があまり気が付いていないことの一つは、国籍取得方法は国によって違うと言うことです。大きく分けて二つあります。
* 出生地主義=本人が生まれた出生地の国籍を取得出来る国。世界の2割以下の国でしか許されていない。日本も基本的に許されていないので、親が両方外国籍の場合、日本で生まれても日本国籍は取得不可。
* 血統主義=親のどちらかの国籍により子が国籍を取得出来る国。その中でも日本のように父母両系血統主義(日本での改定は1985年以降でそれまでは父系主義)で、父親でも母親でもどちらかの国であれば国籍を取得出来る国や、父系優先血統主義で父親がその国の出身者の場合のみ国籍を取得出来る国などあります。
これを考え合わせると、日本で生まれていなくても日本国籍しか無い人というのが結構いる事がわかります。
日本語が喋れなくても、日本人?
例えばお母さんがインドネシア人(父系優先血統主義)で、日本人のお父さんの子供がマレーシアで生まれた場合、日本国籍しか取れません。その子が、ずっとマレーシアかインドネシアで育って日本語が喋れなくても、日本人です。このような日本人は今からドンドン増えていくことでしょう。今の世の中、日本だけでなく、世界中の人が渡り歩いていて、その国のパスポートを持っていなくてもその国しか知らないと言う人は沢山います。同じように、海外で育った、そのような日本人に向かって「初めて日本に来たかもしれませんが、あなたは海外旅行者ではありません。」と言うのは何かおかしくないでしょうか?
もちろん、その他にも二重国籍の子供、日本で生まれたけどずっと海外で育って日本は殆ど行った事がない。(そう言う子は、残念乍ら「帰る」とは言いません)こう言う人達の方こそ多いでしょう。でも、そう言う人こそ外国人の友達を引率して日本にスキーに行ったり、京都観光に連れていく事が多いのです。そんな彼らこそが本当の意味の「観光大使」です。
<ジャパン・レール・パスを考える在外邦人の会>
JRグループは、2016年11月11日に訪日観光客向けに販売している「ジャパン・レール・パス」の海外在住の日本人への販売を終了する事を発表いたしました。
それを受けて、JRグループ各社に、「ジャパン・レール・パスの海外在住邦人の購入資格撤廃の再考を求める運動のため、オーストラリア在住の有志の方がChange.orgのページを立ち上げました。
署名ページは こちら 。
JRグループは、2016年11月11日に訪日観光客向けに販売している「ジャパン・レール・パス」の海外在住の日本人への販売を終了する事を発表いたしました。
それを受けて、JRグループ各社に、「ジャパン・レール・パスの海外在住邦人の購入資格撤廃の再考を求める運動のため、オーストラリア在住の有志の方がChange.orgのページを立ち上げました。
署名ページは こちら 。
………今度の変更で「ごめん。俺、一応国籍日本人だから、JRパスっていうの買えなくなったんだ。でも、日本の電車のチケットの購入方法って滅茶苦茶難しくてさぁ、俺、日本で育ってないからよく分かんないんだよ。それに、凄く高くなって、飛行機代と合わしたらとてもじゃないけど無理だわ。だから、もう連れてってあげられないわぁ。」となる可能性大です。
これが、今回の「日本国籍」だからと非居住者にもJRパスを使用中止にすると言う事の実態です。
これが、今回の「日本国籍」だからと非居住者にもJRパスを使用中止にすると言う事の実態です。