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伊藤雅雄  インバウンド旅行研究家
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訪日客御用達? 特急「サンライズ」のノビノビ座席


2015年9月7日

訪日客御用達? 特急「サンライズ」のノビノビ座席
寝ているうちに移動できる夜行列車は宿泊費の節約に役立ちます。JRパスなら追加料金がいらない特急「サンライズ」では、外国人の姿をよく見かけますよ。

夜行列車がほぼなくなった国、日本

 訪日する個人旅行者からは「もし日本に夜行列車がたくさん走っていれば、宿代も浮くし、旅の効率も上がるのに」と嘆く声が聞こえてきます。新幹線での移動は確かに快適ですが、必ずどこかの街で宿をとって宿泊せねばなりません。国際鉄道網が発達した欧州では、高速列車ネットワークが強化される一方で、夜行列車も主要区間にたくさん残っていますし、駅待合室での睡眠もわりと自由ですが、日本ではそうはいかないでしょう。
 そんな中、いわゆる外国人バックパッカーの利用が多いのは、東京と四国、山陰とを結ぶ特急「サンライズ」です。寝台車をメインとした在来線特急なのですが、じゅうたん敷きでひとり分ずつのスペースを板で仕切った「ノビノビ座席」という車両があります。東京〜高松間の「サンライズ瀬戸」、同〜出雲市間の「サンライズ出雲」にそれぞれ1両ずつ連結されています。
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▲車内は2段ベッドがずらりと並ぶ感じ▲

意外にも大阪→東京間の利用も可

1両の乗客定員は28人、ジャパンレールパス(JRパス)所持者は追加料金なしで利用できることから、乗車してみると6〜7割が外国人旅行者です。しかも上りの東京行きは大阪からも乗れることから、始発時に空席がたくさんあっても、深夜になってから席がほぼ埋まります。車掌さんが英語で検札を行うのは、サンライズならではの光景かもしれません。
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▲そういえば、スーツケースの置き場所はありません▲

日本国内の移動 ジャパンレールパス

伊藤雅雄  インバウンド旅行研究家
伊藤雅雄 インバウンド旅行研究家

伊藤雅雄(いとうまさお)
大学在学中に、中国語と比較文化論、シルクロード史などを研究。卒業後、旅行代理店に就職するも、1997年の香港返還を機に、エッセイやコラム執筆、書籍制作に携わる編集者兼ライターに転向。過去25年以上にわたり、添乗や視察、取材などの目的で日本人が行きそうな外国の街のほとんどを訪れている。特に中国をはじめとするアジア各地に土地勘がある。

2007年夏より英国・ロンドンに在住。2014年からは「日本最大級の旅行情報サイト・トラベルコちゃん」のレポーターとして従事しているほか、バーチャル編集プロダクション・Watch! CLMBの編集主幹として、アジアの新興国に関する書籍の制作に携わっている。
著書に、日本を訪れる中国人観光客について論じた「中国人ご一行様からのクレームです(三修社刊)」がある。

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