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中国の大気汚染はやはりヤバイのか?


2015年8月9日

中国の大気汚染はやはりヤバイのか?
中国では重大な大気汚染が発生、健康被害も起こっている。PM2.5の影響はどの程度なのか?
 日本のさまざまな報道でも伝えられているように、中国では重大な大気汚染が発生しており、少なからず健康被害を及ぼしている。しかも、問題となっているのはPM10やPM2.5といった粒子状物質。「目に見えない微粒子」が相手なので、なかなか対応も難しい。中国の大都市では、「天気は晴れ」でも、微粒子がびっしりと空を覆ってしまって太陽が満月のように丸く見えることさえある。そういう日は窓を締め切っておくことが必要だが、数分だけ窓を開けただけでも、テーブルの上に薄く微粒子が積もる様子がわかるほどだ。これが呼吸によって、体内に吸い込まれると思うと確かに怖い。このような状況の下、中国の在留邦人たちは「子供は日本に戻す」といった措置を取るケースも多い。
 中国の大気汚染の原因として、一般的に「公害」と位置づけられる工場のばい煙や排気ガスなど人為的な由来のもののほか、夏に多発する森林火災や砂漠から飛んで来る黄砂といった自然由来のものもある。黄砂は日本にも飛来するが、もともとは内蒙古などの砂漠がその元凶。春先には想像を絶する量の砂が巻き上がり、北京や天津、大連など華北地方の広い範囲が覆い尽くされてしまう。こういった黄砂のひどい日には、飛行機が欠航・遅延する可能性が高いため、3〜4月の華北方面への出張は飛行機の代わりに高速列車での移動を考えるなど、次善の策を取ることをお勧めする。

以下に、北京にある在中国日本大使館が発表している大気汚染に関する告知を掲載した。対応の参考にしてほしい。

中国における大気汚染について

 中国各地で深刻な大気汚染が発生している大気汚染の状況について、中国環境保護部のホームページ等(後述)でお住まいになっている地域の汚染状況が確認できます。日々の大気汚染の状況を確認し、以下を参考に対応をとられることをおすすめします。

PM2.5とは

 大気汚染で特に問題となっているのは「粒子状物質(PM10,PM2.5)」です。粒子状物質には,工場のばい煙,自動車の排気ガスなどの人為由来,黄砂,森林火災など自然由来のものがあります。また,粒子として排出される一次粒子とガス状物質が大気中で粒子化する二次生成粒子があります。粒子状物質は,PM10(直径10ミクロン以下),さらにはPM2.5(直径2.5ミクロン以下)と,粒子の直径が小さくなるほど,肺の奥,さらには血管へと侵入し易くなり,現在問題になっている「PM2.5」は,直径が人の髪の毛の約40分の1という微粒子で,肺の奥,さらには血管まで侵入し,ぜんそく・気管支炎,肺がんや心臓疾患などを発症・悪化させ,死亡リスクも増加させるといわれています。 高齢者や子供,肺・心臓に疾患のある方は,大気汚染に対してより高いリスクを有するため,特に注意が必要です。

大気汚染から身を守るために

・汚染の激しい日(環境省暫定指針:70μg/m3以上、米国の大気汚染指数(AQI150強)、中国の大気汚染指数(AQI100弱に相当)は、不要不急の外出や屋外での長時間の激しい運動をできるだけ減らす
(呼吸器や循環器に疾患のある方、高齢者・子供は、体調に応じ、より慎重な行動が望まれる)
・外出する場合は、PM2.5対応マスクを着用する
・帰宅後は、手洗いやうがいを徹底する
・室内には、空気清浄機を設置する。
・ドアや窓を閉め、風が通る隙間もふさぐ
・たばこなど他の汚染源や、過労にも注意
タイトル写真:2015年4月、北京首都空港近くにて。
空全体が黄色くなっている。

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大気汚染に関するデータ

 関係機関が以下のようなサイトで情報を提供しています。
①中国環境保護部「全国都市大気質リアルタイム公表プラットフォーム
汚染の現状、過去24時間のデータ
http://113.108.142.147:20035/emcpublish/
②北京市環境保護モニタリングセンター
上記に加え、当日夜間・翌日昼間の汚染予報、健康アドバイス
http://zx.bjmemc.com.cn/
③北京市大気汚染データ携帯アプリ
iphone・Android用がダウンロード可能
http://www.bjmemc.com.cn/g377.aspx
④「全国空気汚染指数」携帯アプリ
http://air.fresh-ideqs.cc/
⑤米国関係機関からの情報
汚染の現状、過去24時間のデータ、健康アドバイス
http://www.stateair.net/web/post/1/1.html

中国 大気汚染 公害

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