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中国の治安は本当に悪いのか?


2015年7月18日

中国の治安は本当に悪いのか?
中国の治安は良いのでしょうか、悪いのでしょうか。外国人が巻き込まれそうな犯罪について検討してみます。

中国の治安、実感ベースでは改善も

 筆者の印象では、対外開放が始まった1990年代の前半ごろと比べたら、治安は全体的にずいぶんと良くなったような気がする。
 中国の治安当局が積極的に目を付けているのは、少数民族問題に絡むテロ、企業や役所における汚職関連など「国家の運営に障害となり得る」犯罪。これらに加え、麻薬密売関連とそれに絡むマネーロンダリング、国境を介した密貿易、といったような事案も積極的に取り締まっているようだ。もちろん、殺人や強盗といった凶悪犯罪にも目を付けている。

現地の日本領事館の告知によると……

では、外国人が巻き込まれそうな犯罪としてはどのようなものがあるだろうか。上海の日本領事館は以下のような文章を告知しているので、参考までに載せておこう(いずれも原文ママ)。
——これまでも累次にわたり、当館よりぼったくり被害に関する注意喚起を出しておりますが、日本からの出張者や旅行者から、南京路、豫園や外灘周辺、或いは日本人が多く居住する虹橋や古北等で「ぼったくり被害」に遭ったとの報告が再び多く寄せられています
——具体的には、中国人女性や客引き等から、「安く飲むことができる店を紹介する」、「マッサージ店を紹介する」などと片言の日本語で声を掛けら れ、誘われるままついて行ったところ、数万元(日本円にして数十万円)の料金を請求され、支払いを拒んだ場合、複数名の男が現れて支払いを強要されたと いったケースが複数報告されています。
——中国においては、買春行為(性的サービスを伴うマッサージ等を含む。)は違法であり、10日以上15日以下の拘留及び5千元以下の罰金が科される可能性があるほか、国外退去処分及び一定期間の再入国禁止措置が付される場合もあります (2014年3月21日付)。

偽札被害は頻繁に発生

 上海の日本領事館はさらに偽札に関する注意も呼びかけている。
——上海市内に滞在中の邦人から、タクシーやATM利用時での「偽札被害」に関する相談が増えております。 具体的には、①ATMでお金を引き出したところ、全額が偽札であった。②タクシーで帰宅した際に、タクシーはアパート内に入らずに、手前の道で停車。運賃の支払い時に、「札の端が切れている」、「偽札だ」と複数回突き返された。
——皆様におかれましては、上記のような被害に遭わないようにするためにも、
・ATMでお金を引き出す際には、周りに注意し,その場で同じ札番があるかどうかを確認する。
・タクシーがアパートに入るのを嫌がる場合は特に要注意。
・100元札で運賃を支払う際には、紙幣の下3桁の番号を覚えておく。
——なお、万一被害に遭った際には、無理をせずに、そのタクシー会社とナンバーを記録した後、タクシー会社、もしくは上海市城建服務熱線(電話番号:12319)に通報してください。
——「車上荒らし」、「スリ」、「置き引き」の被害についても相談が寄せられていますので、ご注意ください。(2014年6月20日付)

自己防衛手段を考えよう

 「ぼったくり」「売買春」関連は、「そういった怪しいところに行ってしまう側にもいくらかの問題がある」事例といえる。
 一方で外国人がだまされやすい(逃れるのがむずかしい)事例として、中国で特徴的な被害は「偽札関連」がある。20年以上中国に関わっている邦人でも「偽札を掴まされた」と訴える人がいるくらい。特にタクシーのおつりで嵌められるケースが多いので、あらかじめ10元札を多めに用意してそれで払う、とか、領事館が言うように、100元札で出す時は番号を指差してから渡すとか、何か手を打つことを考えたほうがいいだろう。

都市部の治安、実は日本と変わらないレベル

 結論からしたら、都市部の治安は概ね日本と同じレベルと思っていい。ただ、深夜に地方都市など土地勘のないところでタクシーに乗ったりすると、いきなり運転手が強盗に化けたりするケースもゼロとは言えない。夜間の行動は極力避けるようにスケジュールを組むとか、スリや置き引きから回避するために、貴重品の管理には気をつけるなど、最低限の努力でトラブルはある程度回避出来るだろう。
上海日本領事館の安全情報ページ
http://www.shanghai.cn.emb-japan.go.jp/life/index.html

安全情報 中国 偽札

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