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バクーに日本語図書館を開こう!(2)【アゼルバイジャンを行く/16】


2016年6月10日

バクーに日本語図書館を開こう!(2)【アゼルバイジャンを行く/16】
知られざる親日国・アゼルバイジャン。現地の人々の強い「親日ぶり」に心動かされ、現地に日本語書籍の図書館を立ち上げようとしているチームがあります。発起人の黒坂宗久さんにお話を伺いました。今回はその2回目です。
【承前】
バクーに日本語図書館を開こう!(1)

Q. 帰国後、アゼルバイジャンに関わるプロジェクトを始められたそうですが、どんなことを進めておられますか?


A. 「日本とアゼルバイジャンの結び付きをもっと強固にしたい」と考え、具体的なプロジェクトを起こそうと考えました。
現在、2つのパートを進めています。ひとつは「アゼルバイジャン語会話帳の出版」、もうひとつは現地大学の日本語学科に「日本語の書籍を集めた図書館の開設」というものです。
会話集に関しては、ページに示されている文字を指さしながら現地の人々とコミュニケーションを取るというものです。これは情報センター出版局という出版社が発行するシリーズで、書籍の文字を指さしながら現地の方とコミュニケーションを取れる素晴らしい書籍です。
現在私を入れて、4名のメンバー(杉本真由美さん、西村由布子さん、竹菴顕さん、黒坂)で出版に向けて動いています。これもアゼルバイジャン滞在中に杉本さんが現地大学生との意見交換会で発言したのがきっかけとなっています。
現在、出版社と2度の会議を終えていて、自費出版の金額についてもほぼほぼ確定しています。日本語のアゼルバイジャン語への翻訳に当たっては、アゼルバイジャンの日本語研究者の皆さんにも参画してもらう予定です。翻訳作業を通じて、日本人ほか外国人が観光する際に、「何を見たいと思っているのか。何がしたいのか」の理解を促したいからです。日本人が現地を訪問した際の心強いツールとしての役割だけでなく、日本語部分を他の言語に翻訳して出版することで、アゼルバイジャンが多くの国の人々に親しまれるための観光戦略の一役を担うことができればうれしいですね。

これからの課題は、出版費用を集めることにあります。
・クラウドファンディングによる資金調達
・駐日アゼルバイジャン大使館などの関係機関・企業への寄付の依頼
・個人への寄付の依頼
の3パターンを考えています。

この指差し会話集の出版プロジェクトはアゼルバイジャンとしての観光戦略の一環を担う位置付けとなると考えており、多言語多国家への展開に向いたツールにしたいと出版社と協議している最中です。

Q. では、「日本語の書籍を集めた図書館の開設」の状況はいかがでしょうか。


A. 日本語書籍の図書館は、アゼルバイジャン言語大学の日本語学科の中に設けます。同学科で教鞭を取るヤシャール先生(本ウェブ関連ページリンク)のご自宅に招かれた際、ラム肉のバーベキューでもてなされたのですが、その折、日本語の書籍が足りないというお話を聞きました。ヤシャール先生は当初、ミニ図書館を作る予定だったようですが、「せっかく始めるなら、様々なジャンルの書籍を1万冊を目標に集めよう」と提案したのです。
書籍は随時、日本から現地に送っているところです。嬉しいことに、この図書館は「黒坂図書館」と名付けられています。このプロジェクトでは、向後雅通さん、谷田部美穂さんそして私の3人で進めています。ただ、現地に書籍を届けるコストの負担に加え、アゼルバイジャンの「日本好き」な皆さんに図書館の存在をどう知ってもらうかが当面の課題です。

Q. 今後、日本とアゼルバイジャンの架け橋としてどんな活動を進めようとされているのか、その計画などをお話しいただけませんか?


A. ご紹介した会話集の出版や図書館の開設、さらにはアゼルバイジャン観光促進プロジェクトなどの活動の土台となる機関として、社団法人の設立を検討しています。
単発で終わらない両国の関係性構築の仕組み作りも並行して進めているところです。そのほか、日本へ留学してくるアゼルバイジャンの学生の支援、同国産品の日本への紹介・販売も手がけてみたいです。食文化を輸入することで、日本でのアゼルバイジャンファンの増加につながるからです。
全体の活動の方向性としては両国の距離感を縮めたいと思っています。
アゼルバイジャンの人々の温かさに触れ、交流の強化を思い立った黒坂さん。写真は、ヤシャール先生の姪っ子・メレックちゃんと共に。

親日国 アゼルバイジャンの環境

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