搭乗予定便の遅延や欠航が起きたら

搭乗予定便の遅延や欠航が起きたら
天候やマシントラブル（飛行機の故障）により、搭乗を予定していた便が遅延したり、欠航が起こるケースがないとも限りません。一般的には、搭乗予定の航空会社がなんらかの救済措置を行ってくれますが、不測の出費や大幅な日程変更を迫られることもあります。海外旅行傷害保険の契約内容によっては、遅延や欠航などのトラブルに対する補償が請求できることがあります。万一に備え、保険証書に書かれた詳細はよく読んでおきましょう。
なお、遅延や欠航が起きた際、チケットを購入した旅行代理店に連絡を取ろうとする旅行者をっよく見かけます。日本国外の滞在中にトラブルの解決をしたくても「言葉の問題があるから」と代理店に対応を頼む気持ちは理解できますが、代理店の権限では代替便の提供はできません。もし言葉の問題があるなら、搭乗予定航空会社の日本支社に連絡して協力を頼んだ方が具体的な対応が期待できます。

フライトが欠航になった時

搭乗予定便が欠航した場合、一般的に次のような措置が取られます。
・航空券に記載されている最終目的地までの経路変更……航空会社と利用客との話し合いが持たれますが、経路変更される代替便の割り当ては運航状況、フライトの空席状況に搭乗客側の希望が必ずしも聞き入れられないことがあります。
・航空券の購入者への払い戻し……遅延により、旅行の断念を選択した場合、航空会社が該当区間の払い戻しに応じる場合があります。ケースバイケースで搭乗予定だった航空会社と交渉すべきです。

欠航・大幅遅延時に提供されるもの

搭乗予定便の欠航または大幅な遅延が予測される場合、搭乗客には食事・飲料（ミール、ドリンククーポン）のほか、非常連絡手段（電話代など）が提供されます。これらのサービスの提供は、予測される遅延時間と搭乗予定便の飛行距離に応じて異なります。航空会社は必要に応じて搭乗客に宿泊施設を手配するだけでなく、空港〜宿泊施設間の移動手段を提供します。

その他の具体的な措置

以上の規定を適用した結果、実際の対応は次のように行われます。
・目的地まで行くための代替便または他の交通機関を提案。便が振替となる時は、航空会社側の負担で他社便や別のルートの航空券を準備してくれる。列車など他の交通機関の切符を利用客側が支払った場合はその費用は後日請求できる。
・空港などで次の便などを待っている間の食事は現物または現金、クーポンなどで提供される。
・出発が翌日以降になる場合、航空会社は宿泊機関を提供する。ホテルへの足は、バスが用意される場合があれば、自分で向かって後日交通費実費を精算することもある。
・同一市内の違う空港から出発となった場合、別の空港への移動費用は航空会社に請求できる。

乗り継ぎ便に乗れなくなった際の措置

海外の都市からの帰路、どこかの空港で乗り継いで日本に向かう際、経由地までの便が遅れ、結果として帰国便に乗れなくなってしまうケースもあり得ます。前述のように、航空会社は振替用の航空券などを用意しますが、最悪の場合「経由地に着くまでに何らかの対策を打つので、とりあえず出発してほしい」と言われることもあります。その場合、乗り継ぎ空港で次の案内を受けましょう。

振替によるマイレージ加算について

遅延やキャンセルのために代替便を用意された結果、全く違う航空会社の便に振り替えられることもあります。その場合、マイレージはあくまで搭乗した航空会社の実績が加算されるため、事前に目論んでいた「得られるべきマイレージが得られなくなる」ことがあります。

保険会社によるお見舞金

欠航・遅延により、長時間の足止めとなった場合、海外旅行傷害保険の契約内容によっては、「目的地への到着が○時間遅れた場合は保険金を支給」という形でお見舞金をもらえます。また、遅延で生じた余分な出費をカバーしてくれる保険もあります。
請求には航空会社からの遅延証明が必要です。すみやかにカウンターなどで書面をもらっておきましょう。

自己理由による乗り遅れの場合

搭乗者側の自己理由で乗り遅れることもけっこうあるようです。アジア諸国でよくあるケースとしては、「市内の渋滞にひっかかり、空港にたどり着けなかった」というもの。渋滞の状況を客観的に示すのは難しいため、乗り遅れに対する補償を保険会社に求めることは極めて困難ですが、状況によっては認められるケースもありますから相談してみてはいかがでしょうか。また、乗り遅れたあとの搭乗者側の対応として、新たなチケットを買い直す前に、航空会社に事情を説明して救済措置の有無を確かめましょう。場合により、若干の追加料金で次便に振り替えてもらえるかもしれません。