世界ガイド
世界ガイド編集部
世界ガイド編集部

ホームページ

何故旅先で出会ったフィンランド人はいい人だらけなのか?


2016年4月1日

何故旅先で出会ったフィンランド人はいい人だらけなのか?
長年、フィンランドに住んでいるライターのステンルース幸子さん。旅先で会う「優しい人」について、コラムを寄せてくれました。
道がわからず困った時、周りを見渡して「この人に聞こう!」と思って近づく人は、無意識に大らかで近寄りやすい、優しい人です。人にはそういう直感というか、本能が備わっているのです。ときどき外れますが。

旅情って人を良くして、優しくするものなんです。日本なんて遠くから来ているのなら尚更です。来ているあなたも旅人特有のプラスのエネルギーを漂わせているし、か弱い助けが必要な存在になっている。

それから私はこうも想像します。きっと道を聞かれたらフィンランド人は、都会を歩き抜ける日本人と比べて、しっかり立ち止まって、旅人のたどたどしい英語にもじっくり耳を傾け、指を指し、わりと丁寧に案内してくれるのだと。

日本から海外旅行に出かけるって、やはりすごいことなんです。毎日が流れるような高速道路のような日々の中、みんなその止め方も知らない。学生ならともかく、勤め人は有給休暇など拝み倒して貰う人も多いでしょう。

みんな、そこまでの思いをして、何時間、十何時間ものフライトの末に辿り着いた別天地では、見るもの聞くもの、食べる物飲む物、会う人去る人、ぜぇんぶ良くなくっちゃいけない気がしませんか?そうでなくても日本人は批判精神が弱い。

しばし見慣れ過ぎた黄色人種の人ごみに別れを告げて、金髪青い目、いろんな色が入り混じった人ごみに入れば、誰もが眩しく幸せそうな顔に見えるのではないでしうか。とりわけ子どもにはそのマジックが効いてます。

金髪を通り越して白髪のふわふわのがその辺をちょろちょろ走り回っていたら、もう好意的に見えない訳がありません。さらに日本のテレビでは欧米人の子供にインタビューをすると大人っぽい、賢そうな声で吹替えを入れてしまう。好印象は既に日本で出来上がっているのです。

余談ですが、フィンランドがPISAテストで世界一に輝いた十数年前、日本から取材や視察にいらした方達は、実際のテスト対象者の15歳がいる教室よりも、小学校に多く行かれています。その方が授業が分かりやすいという利点もありますが、小学生の方が可愛いので絵になるというのも理由の一つです。

またそういう可愛らしいフィンランド人の子供達を見かけても、このマイナーなフィンランド語で話すので何言っているか分からないという利点があります。小学生にもなると校庭でも放送禁止用語が飛び交うのですが………(次回をお楽しみに!)
世界ガイド編集部
世界ガイド編集部

ホームページ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

  • メール

  • RSS