「硬座」って本当に硬いイス? 〜中国の列車の車内設備〜
2016年2月16日
中国を走る列車の等級はどうなっているのでしょうか?
等級順に座席カテゴリーを紹介してみましょう。
等級順に座席カテゴリーを紹介してみましょう。
中国での座席分類方法は世界的に見て「まれ」
車の座席等級は中国ではどのように定められているのだろう。
日本のJRでは、上級の席を「グリーン車」、一般席を「普通車」という。ただ、諸外国の例を見ると、1等は「ファーストクラス」、2等は「セカンド(もしくはオーディナリー)クラス」と呼んでいる。
中国では、座席のカテゴリーについて「軟らかい」「硬い」という形容でクラス分けを行っている。
このような分類方法は世界的に見て「まれ」だ。
【寝台車】
・高包(Gao Pao)…… 定員1人または2人の個室寝台。「高包」とはデラックスな個室の意味。国際列車や香港行きなど、連結されている列車は一部に限られる。・高級動臥(Gao Ji Dong Wo)…… 寝台タイプの高速列車(CRH)に連結されている、定員1人または2人の個室寝台。
・軟臥(Ruan Wo)…… 定員4人のコンパートメントで、上下2段となっている。夜行列車であれば最低1両は連結されている。
・動臥(Dong Wo)…… 寝台タイプのCRHに連結されている、定員4人のコンパートメント。
・ 硬臥(Ying Wo)…… 上下3段の開放式寝台車。従来の「一般の列車」に連結されている寝台車のほとんどがこれ。
【座席車】
・商務座(Shang Wu Zuo)…… 一部の列車にある上級席。飛行機の「ビジネスクラス」の直訳。・特等軟座 (Te Deng Ruan Zuo)…… 高級な「軟座」、つまり1等より上級なクラスの席のこと。
・一等軟座 (Yi Deng Ruan Zuo)…… CRHに連結されている「1等席」。欧州仕様の高速列車の1等席がそのまま使われている。
・軟座 (Ruan Zuo)…… 従来の「一般の列車」に連結されている上級席。リクライニングがあるが、日本の新幹線のグリーン車よりもシートピッチが狭い。
・二等軟座 (Er Deng Ruan Zuo)…… CRHに連結されている「2等席」。欧州仕様の高速列車の2等席がそのまま使われている。新幹線仕様の列車の場合は、1列に5席(3列x2列)となっている。
・硬座 (Ying Zuo)…… 従来の「一般の列車」に連結されている「普通席」。シートの「背」で直角、1列で5人が着席。隣の人との間に肘掛けはない。
・無座 (Wu Zuo)…… 「一般の列車」に途中駅から乗る際に販売される切符で「硬座立ち席券」の意味。乗車後、空席があれば他のカテゴリーに変更も可能。日中に寝台席が欲しいという要望でも席がある限り売ってもらえる。