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中国では各駅停車はほぼ絶滅? 「一般の列車」とは


2016年2月15日

中国では各駅停車はほぼ絶滅? 「一般の列車」とは
高速列車(CRH)ばかりに目が行ってしまいがちな中国の鉄道だが、実は旧来然とした「一般の列車」も依然としてたくさん走っている。

都市内の通勤・通学客の足を鉄道が担うケースはほとんどない


一般の列車は、高速列車に比べて当然ながら速度が遅くて車内の設備も良くないが、安い料金のおかげでいまでも大勢の利用者がいる。

中国では、高速鉄道網が発達すると同時に、高速道路のネットワークも一気に整備され、都市間交通網が急激に発展した。その結果、近距離移動のための主力交通機関が列車からバスへとすっかり移ってしまった。
列車本数の少ない各駅停車はすっかり廃れ、路線によっては各停の運行が消滅したところもある。

また、鉄道の役割だが、中国ではあくまで都市間交通という位置づけだ。そのため、都市内の通勤・通学客の足を鉄道が担うケースはほとんどない。

中国の列車のカテゴリーを見てみよう


 では、中国の列車のカテゴリーを見てみよう。
なお中国の鉄道では、CRHも一般の列車もレールの幅(軌間)が同じなのだが、実際にはCRHは専用の「速く走れる線路(旅客専用線)」の上を走行する。

【列車のカテゴリー】

 以下、一般列車のカテゴリーを速い順に紹介する。

直達(Zhi Da=頭文字Z)…… 2004年に登場した、大都市間をつなぐ「夕方から夜に発車して、翌朝から昼までに到着する」列車。最高時速は160キロ、途中停車駅がないのが特徴だが、一部に終着駅の手前の数駅に止まるものもある。
特快(Te Kuai=頭文字T)…… 途中停車駅が少なく、日本の特急列車に相当するもの。最高時速は160キロ。
快速(Kuai Su=頭文字K)…… 日本の急行列車に相当する。特快より停車駅が多い。最高速度は120キロの車両が使われている。
旅遊(Lu You=頭文字Y)…… 大都市近郊への日帰り旅行を可能にした列車。北京郊外の万里の長城への往復など、少数にとどまる。
臨時(Lin Shi=頭文字L)…… 主に春節、労働節、国慶節など、連休に運行される。時刻表を見る限り、「快速」かそれ以下のカテゴリーの速さで走る。
普快/普客(Pu Kuai/Pu Ke=4けた番号のみ)……日本の各駅停車に当たるもの。普快は何駅か飛ばすこともある。

高速列車 中国

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