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中国の5つ星ホテル、本当に5つ星水準?


2016年2月10日

中国の5つ星ホテル、本当に5つ星水準?
中国にもけっこうな数がある5つ星ホテル。
本当にそういうレベルに達しているのでしょうか?
中国のホテルについて、具体的にクラス別にどんな施設水準なのか概説しながら、その「使い道」について考えてみることにしましょう。

「中国の5つ星評定はかなり甘い」という批判も...


5つ星ホテル

 飲食施設が中華だけでなく西洋料理や日本料理などの外国料理のレストランがある、プールやフィットネスセンターが完備している、一定の広さの宴会場(多目的ホール)がある、そして客室が一定レベル(おおむね25平方メートル以上)の広さと調度品がある、といった条件を備えているホテル。フロントやレストランなど館内の従業員は英語も解する。客室のベッド、テレビや音響設備、リネンやアメニティー類、バスルームの設計、クロゼットの作り付けやその調度品など、すべての要素で一定レベルに達している必要がある。
 また5つ星ホテルでは、エグゼクティブフロア宿泊客向けの専用ラウンジがあり、専任スタッフがチェックイン・アウトや各種のゲストの要望に応えるようになっている。

ただし「中国の5つ星評定はかなり甘い」という批判もある。

 中国のホテル業界に詳しいアナリストは「甘い」と言われる理由について、「判定基準が主に館内設備の有無で決められており、加味されるべき基準から『サービスの水準』という要素が欠けているためではないか」と説明。
 つまり、主要都市では世界的に知られた外国のホテルチェーンが中国にある施設も国際標準通りに運営しようとしているのに対し、地方に行けば「とりあえずハコモノを完備」しただけのところもある。
 同じ「5つ星」を掲げていてもその中に「大きな差」があるので注意が必要だ。

4つ星ホテル

 5つ星ホテルほど建物が豪華でもなく、レストランの数はせいぜい中華と西洋料理を各1カ所ずつ、プールなどの設備があっても小さめ、部屋の広さは5つ星ほど広くない、といったホテル。
 
 つまり、豪華さは期待できないものの、出張者が泊まるには十分な水準の設備があり、安全が守られる施設と考えて良いだろう。日本人の利用が多いエリアのホテルでは日本語を話せるスタッフを置いたり、日本料理レストランを設けたりして、長・中期滞在者の需要に応えている。

3つ星ホテル

 エコノミーなホテルをコンセプトに建てられており、質素ながらも必要な設備が整った施設。

 部屋の広さは15平方メートル程度と、日本のビジネスホテルにあるシングルルームと比べたらずいぶんと大きい。ただし、バスルームにシャワーしかない施設が増えている。
このクラスでは、レストランが中華料理しか対応出来ないとか、フィットネスセンター関連の設備がないことが多い。地方の都市ではこのレベルのホテルが「その都市の最高級ホテル」だったりすることも。日本発の格安なパッケージツアー(含む:航空券+ホテルのプラン)で使われるのがこのクラスの施設だ。

1〜2つ星ホテル

 中国ではわざわざ低いクラスのホテルを建てることをしない傾向があり、1〜2つ星のホテルはむしろ少ない。

 施設が低クラスの水準にとどまる場合、「そもそも星数の申請をしない」といったこともあるようだ。低い評定が付けられている理由として、「築後20年以上を経て設備の老朽化が進み、実際に使用しているレストランの数が減ったりして以前より評定が下げられてしまった」といったケースがある。

ホテル 中国

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