英国の公認とばく、ブックメーカーに行ってみよう(1)
2016年2月1日
「ブックメーカー」とは「書籍を作る」お店ではありません。サッカーの試合の結果などを当てる投票所です。
「ブックメーカー」では何でも賭けに!
ロンドンなど英国の街を歩いていると、店先にサッカーの対戦と金額を掲げたお店を良く見かけるでしょう。屋号を見ても馴染みはありませんから、いったいなんのお店なのか?と首を傾げる旅行者も多いようです。この店こそ、公認とばく「ブックメーカー」です。日本でもサッカーの勝敗や点差を当てる「TOTOくじ」が普及していますから、それの本家・英国版と考えると分かりやすいようです。
英国のみならず、世界各国で競馬は賭けの対象として行われています。英国では、この対象をサッカーやドックレース、そしてテニスやクリケット、ゴルフなどありとあらゆるスポーツ全体に拡大。勝敗予想などを基準とした倍率を決めて、賭け事の「材料」にしています。もっとも、対象はスポーツだけでなく、政治の動きや王室関連の事象まで扱っており、最近では「スコットランドの住民投票で賛成派が勝つか負けるか」といったものまでブックメーカーで賭けの対象となりました。
掛け方は割と複雑
「サッカーなどの試合が賭けの対象になる」といっても、その方式は多岐に渡ります。最も単純なのは、「○○と▲▲との対戦はどっちが勝つか」というものでしょう。賭けた方が勝てば、その倍率(オッズ)に応じて賞金が支払われます。しかし、ブックメーカーでは「その勝ち方」についてさらに細かく決めています。例えば、「点差はどのくらいで勝つ」「前半は負けていたけれど、後半で逆転」「前半は同点で、後半に突き放し」といったようなものがあります。さらに、「誰が最初にゴールを決めるか」とか、「最初のスコアラーは誰で、点差は○○くらいで勝つ」と、複雑な条件を付けてより倍率を上げ、射幸心を煽ることもあります。
各ブックメーカーは、全てのチームについて、過去の戦績や主力選手のケガの有無、チームの最近の傾向などを総合的に分析。それにより細かな倍率をつけています。つまり、「当たらずも遠からず」という妥当な点差での勝敗予想があって、「割とその通りに試合が推移する」と考えても良いでしょう。言い換えれば、実情にそぐわない倍率を付けてしまい、それが実際の結果となってしまうと、賞金を多めに払うことになったり、過小評価し過ぎて顧客からの賭け金が集まらない、という事態が生じるためです。(つづく)