世界ガイド

南国の風 東南アジア中華


2016年1月6日

昨年11月、オリンピアン・シティーに「楽天客棧(Paradise Inn)」がオープンした。同店は主に東南アジアの中華料理を提供するシンガポール系レストラン。
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甘辛く煮込んだ豚の三枚肉を中華バンズに挟んだ「招牌扣肉包」。中華料理の定番であり、同店の看板メニューの1つ(1個18ドル)

現代風にアレンジしたフュージョン中華も


 東南アジアの中華料理は18世紀、広東省や福建省、上海などから戦火を逃れ、または仕事を求めて南下した華人たちがマレーシア、シンガポール、インドネシア、タイなどに居を構え、中国の食文化に当地の食材や調理法を取り入れていったのが始まり。
 
 中華の色合いを濃く残したこれら料理は、マレー料理と融合したノニャ料理とともに各地で華人に受け継がれ、郷土料理として定着。熱帯の気候下で独自の薬膳料理も発展していった。

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豚足の漢方薬材入り中華だれ煮込み「家郷鹵元蹄」(118ドル)

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豚の胃と漢方薬材の天麻などをコトコト煮込んだ薬膳スープ「天麻薬膳猪肚湯」(138ドル)

 同店でも滋養のある薬膳スープや漢方薬材で煮込んだ豚足などを用意。また、現代風にアレンジしたフュージョン中華もメニューに加え、お客を飽きさせない工夫をしている。

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キンモクセイの花びらとパンダン入りの3層のスイーツ「三色桂花班蘭糕」(26ドル)

 店名の「客棧」は宿の意味。かつて東南アジアにたどり着いた華人たちが旅の疲れをいやした宿のように、インテリアも落ち着ける雰囲気を大切にしている。(文・桧原なつみ)
※写真提供・Cohn & Wolfe (Hong Kong)
所在地:Shop-UG09, UG/F, Olympian City 2, 18 Hoi Ting Road, Tai Kok Tsui, Kowloon
電  話:2177-0760
営業時間:11:30〜22:30(月~日曜)
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レストラン マレー料理 ノニャ料理 薬膳料理

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