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欧州での入国審査のルール


2015年10月15日

欧州での入国審査のルール
陸路で繋がる欧州の国々、国境検査のルールはどうなっているのでしょうか?

欧州の国々への出入国

欧州の地図を見ると、国境を接して多くの国が陸続きで並んでいます。国境を持たない日本人は車や列車に乗って別の国に行く感覚が身についていませんから、欧州でどのように検査が行われているかイメージしにくいかもしれません。欧州での国境審査は簡単に述べると次のように行われています。
・ 西欧、北欧、東欧諸国の大部分およびバルト三国への訪問時には、最初に到着した国で入国審査を行う。
・ 英国(含む、アイルランド)は全く別の国として入国審査を受ける。
前者のルールは「シェンゲン協定」にて定められており、2015年秋現在、26カ国の間で協定が適用されています。なお、この26カ国の内訳は、欧州連合(EU=28カ国)とイコールではありません。「シェンゲン協定」には、スイス、リヒテンシュタイン、アイスランド、ノルウェーが含まれる一方、EUのブルガリア、ルーマニア、キプロス、クロアチアは入っていません。さらに細かく言うとバチカン市国、モナコ、サンマリノへの出入国は自由にできますが、ピレネーの山中にあるアンドラは同協定には加盟していません。
シェンゲン協定加盟国への滞在可能日数は原則的に「あらゆる180日の期間内で最大90日」と定められています。

英国との出入り

英国への出入国ですが、シェンゲン協定加盟国から行こうが、その圏外にある日本や米国から着こうが、必ず入国審査を別途受けねばなりません。なお、英国とアイルランド間の陸路国境には検問がないほか、両国を結ぶ航空路線は国内線扱いとなっています。

日本から欧州に行く場合の対応

前述の内容はいわば「ルール上の規定」を改めて説明したものです。では、実際の対応はどのようになっているのでしょうか。日本からシェンゲン協定加盟国に行く場合を説明してみます。
最初の到着地がシェンゲン協定加盟国の場合
現在、日本からの欧州行き直行便は、ロンドン行きを除き、すべて加盟国に直行しています。乗り継いで英国かアイルランド、クロアチアなどに向かうのでなければ、最初の到着空港で入国審査を受けます。つまり、最終目的地がパリやフランクフルトでも、最初に着いた空港(例えば、ヘルシンキとかコペンハーゲンとか)で入国審査を受けます。フランスやドイツに着いた後は国内線と同様、パスポートのチェックはありません。帰路も同様に、最後に離れる加盟国で出国審査を受けます。
最初の到着地がロンドンの場合
日本からロンドンに向かい、そこから欧州大陸に戻るケースを考えてみましょう。この場合、英国では審査を受けずに乗り継ぎ便に搭乗、最初に降り立った加盟国で入国審査を受けます。帰路も同様に、最後に離れる加盟国で出国審査を受けますが、ロンドンでの手続きはありません。

鉄道などで陸路国境を越える場合

前述のように、シェンゲン協定加盟国内を移動するだけなら、陸路であれ空路であれ、出入国審査は行われません。面白いことに、タクシーで隣国の目的地まで運んで行ってくれることもあります。

ユーロスターなどで英国を出入りする場合

シェンゲン協定に組み入れられていない英国との間を、国際列車・ユーロスターなどで出入りする場合はやや特殊な検査方法が取られています。国際バスで出入りする場合も同様の方法で審査が行われます。
英国からの出国
英国を離れる前に(ユーロスターなら乗車前に駅で)、フランスへの入国審査が行われます。ベルギーに向かう場合も同様です。なぜならユーロスターの路線がまずフランス領内を走るためです。
英国への入国
フランスかベルギーを離れる前に、それぞれの出国審査を終えた直後に、英国の入国審査カウンターがあります。
※ ワンポイントアドバイス
入国審査を受ける際には、パスポートに航空券か乗り継ぎの搭乗券を挟んで係官に渡すとチェックが割とスムーズに進みます。入国カードなどの記入は、シェンゲン協定加盟国では廃止された一方、英国では所定のカードへの記入が求められます。

欧州の出入国審査

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