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在英日本人ラガーマンが見た、日本vsサモア戦


2015年10月8日

在英日本人ラガーマンが見た、日本vsサモア戦
ラグビーW杯、日本対サモアの観戦レポートを、在英日本人チーム所属のラガーマンが伝えます!
試合評は詳しい方にお任せするとして、私が当日感じた事をレポートします。

今回のスタジアムはロンドン中心部からも電車で1時間程度のミルトンキーズ。期待と不安から朝早く目を覚まし、ドキドキしながら家を出た時の「緊張」という感情は、ミルトンキーズに向う電車に乗った途端に「安心」へと変わり、試合終了まで変わることはありませんでした。
それは、駅や電車の中はもちろんのこと、スタジアムに向かうシャトルバスやスタジアム周辺で、日の丸を掲げ、桜のジャージをまとった多くの日本ファンの姿を見ることができたからでしょうか。
もし、家でTVを通して見ていたら、ずっと「緊張」のままだったかもしれません。日本から遠く離れたイギリスの地で、まさかここまでの安心感を得られるとは想像だにせず、嬉しい気持ちと同じくらい、驚きもありました。

なぜ、それほどの「安心感」があったのか?

ひとつは日本ファンの「数」です。
日本の方はもちろんですが、特に目を引いたのがイギリス人や他国の方々。南アフリカ戦を経て、圧倒的に仲間が増えた気がしました。
行きの電車ではスコットランド人、スタジアム周辺ではイギリス人夫婦、試合後はイギリス人家族、帰りの電車ではオーストラリア人など、本当に多くの人に声をかけてもらい、色々な話をすることができました。

彼らの話に共通していたのは、南アフリカ戦の日本代表の姿に感銘を受けたということ。
「あんな素晴らしい試合は他にはない」
「おれのラグビー観戦史上、ベスト3に入る試合だよ」
「日本の15番、五郎丸はすごい、あんなクールなやつはいない」
「リーチマイケルはうちの国に来てほしかった!」

などなど、ラグビー好きな世界中の皆さんをすっかり虜にした日本代表。
イギリスのTVや新聞で取り上げられた影響もあるかもしれませんが、試合を見て、ちゃんとプレーを評価してファンになってくれている事に、嬉しい気持ちでいっぱいになりました。


「安心感」の源は両チームをリスペクトする雰囲気

ファンの数以上に「安心感」の源になっていると改めて感じたのは、両チームをリスペクトする雰囲気です。
日本人には「こんにちは!」、サモア人には「Hello!」と両方の国旗を笑顔で渡してくれるボランティアの方々。
わかりやすい試合プログラムだけなく、試合解説を各言語で聞ける専用ラジオ。
「TRY」や「I LOVE RUGBY」のサインボード。両チームのファンを盛り上げようと気の利いたコメントで会場を盛り上げる司会者。
何より、観客席をホーム、アウェイで分けない慣習。片方のチームのファンが固まることなく、相手チームのファンと隣りあわせで応援する。ビールで乾杯し、お互い持ってきたお菓子をシェアし合う。

トライを取ったら、お互い拍手して、讃える。そして、試合後は勝利を喜びつつも、相手チームに対しても敬意を持って接する。
勝ったチームのファンに「Congrats!」「Well Done!」。負けたチームのファンにも 「Good Game!」。お互いを讃える言葉が飛び交います。
選手の活躍や関係者だけでなく、観客も一緒になって、みんなで作り上げる試合の雰囲気。今回のワールドカップを通じて、改めてラグビーの懐の深さを感じました。

このワールドカップに限らず、ラグビーを観に行く理由は人それぞれだと思います。
応援するチームがあったり、根っからのラグビーファンの方だけなく、家族に連れられ初めて観戦する人、観光がてら観戦する人、ルールがわからない人も多いかもしれません。
それでも、みんなが「緊張」することなく「安心」して試合を楽める雰囲気を作ることができたら、素晴らしいと思いますし、今以上に日本にラグビーファンが増えるのではないでしょうか。


そして、2019年、次回のワールドカップ開催国は「日本」。
色々な国の方々が日本を訪れることになりますが、彼らにも「緊張」させることなく「安心」して試合を見てもらい、「日本でのワールドカップは素晴らしかった!」と言ってもらえるように、少しでも恩返しができたらいいなと思います。

次はアメリカ戦、がんばれJAPAN!
記事提供:みんなのジャパンウェイ https://www.facebook.com/minragu

ラグビーワールドカップ 日本代表

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