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昨今の欧州携帯電話事情(1)


2015年10月1日

昨今の欧州携帯電話事情(1)
こんにちは、ドイツ在住のサンチェスです。欧州での携帯電話・スマホの利用事情を書いていこうと思います。

ヨーロッパ各国の携帯電話ネットワーク

ただいま、僕はドイツに住んでいます。まずはドイツでの携帯電話ネットワークを日本と比較してみましょう。
新規契約の場合、端末を分割払いもしくは、値段の高いプランとひもつけて購入する場合、こちらでも2年縛りが発生します。しかし端末自体にたとえiPhoneといえどSIMロックはかけられません。
2年以上使う見通しがあるのであれば、普通は銀行引き落としを利用したポストペイドでの契約になります。こういった形で購入すると初期投資を抑えて最新のスマホを購入し利用できます。

次にプリペイドでの契約について。こちらの若年層や、あまり携帯電話にお金をかけたくない人、もしくは短期滞在でとりあえずの連絡手段を確保したい人などにはプリペイド契約が人気です。大手キャリアもMVNOと呼ばれる大手キャリアの回線を借りて事業を展開している会社も大々的にこういったプランを広告しています。

これは前もって端末を準備し、それからSIMカードをスターターキットといった形で購入し、話したい分だけ使いたい分だけ、プリペイドカードを買って残金を補充していくという使い方になります。驚きなのは普通のスーパーマーケットでスターターキット・プリペイドカードが買えてしまうところ。中には、端末自体をブリスターパックに入れて販売しているものもあります。また日本と違い、身分の確認で煩わしいことはありません。せいぜい公的ID若しくはパスポートのコピーを提出するだけです。それが不要な場合、オンラインでの申し込みの際にIDナンバー(パスポートナンバー)を打ち込みます。
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▲ドイツの携帯プロバイダーの例▲

端末価格とSIMロック

こういう契約がある程度の割合を占めて来ると、端末自体にロックがかかっているというのは、とても煩わしい。あ、安いプラン、と思って契約をしようと思っても手持ちの携帯が他社のネットワークにのみ対応だと使用不可能だからです。

もちろん、現在発売されているスマホは、日本と同様にとても高額です。最新機種では7万〜8万円といったものがザラです。ただ、こちらではシーズン落ちの商品、また低スペックのものが家電量販店で1万〜3万円で販売されています。日本では数が少なくなってしまった、通話とSMSのみに対応しているような端末も5000円程度で大量に売られています。

こういった背景があるので、ヨーロッパで販売されている端末は、一部を除いてほとんどがSIMロックフリーという形です。

国外で使用する場合は

現在、欧州連合(EU)はEU域内での携帯電話ネットワークのローミング利用手数料廃止にむけて動いています。たとえばドイツに住んでいる人が、ビジネス・旅行などでスペインなど国外に行ったとしても、携帯電話の通話・SMS・インターネットについては居住国のプランに従って(たとえば通話し放題なら使い放題のままお金を気にせず通話できるなど)一時滞在国でも利用できるようにしようという施策です。EUの基本原則は「域内のモノ・カネ・ヒトの移動が自由」という考え方なので、その動きを促進しようといった側面があります。

日本人訪欧客はどうする?

ただでさえお金のかかる海外出張や海外旅行。どうにかして、携帯電話にかかるコストを抑えることはできないのでしょうか。
ひとつの案としては、滞在中常に機内モードにしてネットワークから完全に遮断してしまうことです。ホテルなどで無料のwifiが使えるのであれば、夜の間はネットワークにつなげることが可能です。

しかし、このSNS全盛の時代、現地での感動はすぐに仲間やフォロワーと共有したくなるのが人情。また、ビジネスでパソコンなどを使用する場合、赤の他人と共有してネットワークを使うことに抵抗感がある方もいらっしゃると思います。となると、もうひとつの選択肢が出てきます。

それは、現地で前述したプリペイドという形で携帯電話の契約をしてしまう方法です。現在、端末事情において「ガラパゴス」と酷評された日本においても、SIMロックフリーのスマホが売り出されています。それをお持ちの方も多いでしょう。では、そのフリーの領域を活用してみませんか。

次回以降、どういった形で現地で契約できるのか、解説していこうと思います。

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