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世界一長い地名を一発で読んだ「お天気お兄さん」、英米で賞賛!


2015年9月10日

世界一長い地名を一発で読んだ「お天気お兄さん」、英米で賞賛!
英ウェールズにある「世界最長の地名、58文字のスペルを持つ村」の名をあっさりと読んだお天気お兄さん。英米のニュースでも賞賛されています。

スペルの長さはギネスも認定

まずは地名を書いてみましょう。

Llanfairpwllgwyngyllgogerychwyrndrobwllllantysiliogogogoch

文字を数えていくと、58文字あります。文句なし、でギネスブックが最長地名として認定しているほか、地元自治体が使っているドメインも一語のものでは最長と言われています。

この村がある場所はウェールズ北部のアングルシー島。島にはアイルランドに行く鉄道連絡船の港があるほか、空軍の基地にはしばらくウィリアム王子が勤務していたこともあります。地元のスーパーにちょこちょこケイト妃が買い物に現れた、との未確認情報がありますけど。

さて、このLlanfairpwllgwyngyllgogerychwyrndrobwllllantysiliogogogoch(いやー、長いですね)の日本語の意味は以下の通りです。
「赤い洞窟の聖ティシリオ教会のそばの激しい渦巻きの近くの白いハシバミの森の泉のほとりにある聖マリア教会」
19世紀末に、観光客誘致のために名付けられたそうです。

鉄道ファンの間では、世界一長い駅名としても知られており、やたら横幅の長い入場券を見せてもらったことがあります。

Llanfairpwllgwyngyllgogerychwyrndrobwllllantysiliogogogoch station sign (cropped version 1).jpg
"Llanfairpwllgwyngyllgogerychwyrndrobwllllantysiliogogogoch station sign (cropped version 1)" by Chris McKenna (Thryduulf). Licensed under CC 表示-継承 4.0 via ウィキメディア・コモンズ.


なぜこのような騒ぎに?

どうして Llanfairpwllgwyngyllgogerychwyrndrobwllllantysiliogogogoch(なんどもすみませんね)が急にクローズアップされたのでしょうか?
今年の夏の英国は例年になく冷夏で、9月の上旬なのにとても寒いのです。9月9日」のチャンネル4天気予報に登場したライアム・ダットンさん。いつものようにその日の天気概況の説明を始めました。
「イングランド北東部では12度と寒かった一方、この日の英国で最も暖かかったのは北ウェールズのLlanfairpwllgwyngyllgogerychwyrndrobwllllantysiliogogogochで、22度まで上がりました」
えっ! いまLlanfairpwllgwyngyllgogerychwyrndrobwllllantysiliogogogochって読めたの、ライアムさん!
ロンドンとかエジンバラ、マンチェスター、など有名な地名を読み上げるようにあっさりと発音しました。これはすごーい、と米国のニュースチャンネルで話題になっています。

▲地名が長くて、表示が「オランダまで伸びている」との指摘も▲

このお天気お兄さんの正体とは?

難読地名をあっさり読んだお天気お兄さんの正体が気になりますね。
ライアムさんはウェールズの「首都」カーディフの出身。最終学歴はやはりウェールズのスウォンジーという町の大学で地理を学んでいました。だったらウェールズ語の難読地名を楽々読めちゃうのも当然ですね。
この日のニュースは、「最も暖かかったところがLlanfairpwllgwyngyllgogerychwyrndrobwllllantysiliogogogochだった」ということよりも、「ライアムさんがLlanfairpwllgwyngyllgogerychwyrndrobwllllantysiliogogogochを一発で読んだ」ことだったようです。

この地名の発音は?

結論を言うと、日本語のカナで書くのは不可能でしょう。Wikipediaには、

ランヴァイル・プルグウィンギル・ゴゲリフウィルンドロブル・ランティシリオゴゴゴホ

と書いていますが、Llanの音は本来カナで「スラン」と振る、という原則がありますから、いきなり間違っています。実はモデルで女優のナオミ・ワッツはここに住んでいたそうで、Llanfairpwllgwyngyllgogerychwyrndrobwllllantysiliogogogochについて説明をしており、それを聞いていると「llはlの音ではない」と言っています(彼女もライアムさん並みにあっさりと地名を読みこなしています)。

▲たしかに住んでれば読めるようになるんでしょうね▲

「ウォーム」だったはずの場所が、いきなりネット上で「ホット」に。
さてこの地名を自分の指で打った人はまずいないでしょうから、いま、英国で最も「コピぺされている」地名かもしれないですね。(僕も全部コピぺです。すみません)


▲地名をしっかり読みたい方への練習教材はこちら▲
たぶん1時間以内でマスターできます! 映像の最後に「ローカル住民」としてウィリアム王子夫妻も登場!
行ってみたい方へ:
Llanfairpwllgwyngyllgogerychwyrndrobwllllantysiliogogogochへ行くには、ロンドンから列車で4時間ほどかけてアイルランドへの連絡船が出るホリーヘッドHolyheadに向かいます。
Llanfairpwllgwyngyllgogerychwyrndrobwllllantysiliogogogoch駅はホリーヘッドの手前にありますが、ロンドン発の直通特急では止まりませんから、ローカル列車で向かってください。なお同駅での乗り降りは(バスのように)手をあげて止める、車掌に言って降りる、となっています。周辺はスノードンという英国最高峰があったり、ブリタニア橋という本土と島の間にかかる見事な橋があったりと観光にも好適です。

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