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ラグビー日本代表にはこんな選手がいる


2015年9月2日

ラグビー日本代表にはこんな選手がいる
ラグビーW杯開幕まであとわずか。スポーツライターの勝田成紀氏が、W杯でぜひ注目して欲しい日本人選手を紹介します。

ラグビー界の「レジェンド」・大野均選手

1人目は、ラグビー界の「レジェンド」。代表最年長37歳のロック・大野均選手だ。
日本歴代最多キャップ記録(現在90)を更新し続ける鉄人だが、その経歴は、ラグビーエリートとはほど遠い。ラグビーを始めたのは、日大工学部(福島県)に入学後。ラグビー部は当時・東北地区大学リーグ2部に所属し、部員20人ほどの弱小チームだった。エディー・ジャパンではただ1人の、高校ラグビー未経験者だ。
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少年時代は野球一筋だった。巨人ファンで、将来の夢は「プロ野球選手」。しかし、福島・清陵情報高では、レギュラーにもなれなかった。身長190センチ近い大型野手だったが、「打席に立つと打てる気がしなくて、自信がなかった。変化球も苦手だった」という。大学入学後も「野球部に入るつもりだった」が、ラグビー部の先輩に「後ろからガッとつかまれて」熱心な勧誘を受けた。仕方なく練習を見学すると「とても雰囲気がよくて、ここの仲間に入って学生生活を送りたいと思った」とラグビー部に入った。

弱小チームにあって、大野自身も全国的には無名の選手だった。しかし恵まれた体格を見込まれ、大学4年時にひょんなことから強豪・東芝のトライアウトに参加。両肩を脱臼しながらプレーを続け、見事合格を果たした。東芝名物の「親に見せられない猛練習」で、その才能は花開き、入社3年目に日本代表に選出された。

192センチ、106キロの体格ながら、「倒れても、すぐ起き上がって、また次のラックへ走って行き、頭を突っ込む。80分間その繰り返しです」という愚直なプレースタイルでチームを支える。豊富な運動量で、2007年W杯のフィジー戦では1試合で体重が6キロも落ちた伝説を持つ。

愛称は「キンちゃん」。代表随一の酒豪としても知られる。
泥酔して道路で倒れていたら、死体と勘違いされて通報され、警察にたたき起こされたこともある。午後6時から飲み始め、気が付けば24時間経過していたことも。若手の頃には、二日酔い状態で練習に参加した。本人いわく「前の日に飲んじゃったという罪悪感というか、酒を飲んでいるからパフォーマンスが落ちたと言われるのがイヤで、逆に頑張れたりした」。同僚の某代表選手は「練習で密集戦になって、なんか酒臭いなと感じたら、だいたいそこにはキンちゃんがいた」と証言する。

エディーHCは2012年春の就任時、「キンちゃんは今の若い代表には必要だが、2015年W杯にはいないだろう」と言った。しかし、まだ代表に欠かせない存在として君臨し続けている。「1年、1年が勝負だと思った。選び続けてくれたエディーさんの期待を裏切りたくなかった」。好きな言葉は「灰になっても、まだ燃える」。無名選手から代表最多キャップ保持者へと上り詰めたキンちゃんの「シンデレラ・ストーリー」は、まだ終わらない。

医師を目指す若きウイング・福岡堅樹選手

もう1人、22歳の若きウイング、筑波大4年の福岡堅樹選手を紹介しておきたい。

エディー・ジャパンでNO1のスピードスターも、異色の経歴を持つ。
福岡高3年時に花園に出場し、多くのラグビー強豪大学から推薦入学の誘いを受けた。しかし医学部進学を希望し、全て断った。医学とラグビーを両立するため、難関の筑波大医学部を目指した。現役で不合格となり、1年浪人して受けた前期試験でもだめだった。後期試験で他の国立大医学部を受ける選択肢もあったが、「ラグビーは今しかできない。医学はラグビーを終えてからでも学べる」と筑波大情報学群に進学した。30歳をめどにラグビーは一線から退き、「また医学部に入るために勉強して、医師を目指したい」との人生設計を描いている。
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そのスピードを、エディーHCは「ケンキ(福岡)はチーターと勝負しても勝つ」と地上最速の動物に例える。2007年に動物愛護団体のイベントで、南アフリカ代表の快足ウイング、ブライアン・ハバナがチーターと競争し、ハンデありながら互角に戦った。指揮官は「ケンキはハバナと同じスピードがある」と評し、「彼がW杯で活躍したら新聞の1面に載せてください」と報道陣にリクエストしている。日本と南アフリカは、W杯開幕翌日の9月19日、1次リーグB組初戦(ブライトン)で激突する。福岡とハバナは、プレー時のトップスピードがともにラグビー界最速レベルの秒速9.5メートル(時速34.2キロ)。果たしてどっちが速いのか。W杯初戦は、快足ウイングのスピード勝負にも注目だ。
「桜のジャージを背負うことに誇りを持って、全力でプレーする」
日本国籍の選手も外国籍の選手も気持は同じですね。
そんな日本代表を我々も誇りを持って応援しましょう!

文・写真 勝田成紀氏=1972年、滋賀県生まれ。東京外大卒。1998年、報知新聞社入社。2010年からスポーツ報知のラグビー担当となり、2011年W杯などを取材

【関連記事】
ラグビー日本代表に「ガイジン」が多いのはなぜ? http://sekaiguide.com/post/1072/
記事提供:イーマトラベル
<おしらせ/スコットランド戦直前パーティ!>

9月22日(スコットランド戦前日)夕刻から、決起集会と題した『Japan Night』を開催したいと思います。何の企画理由もありませんが、一人のラグビー好きがロンドンに結集している仲間同士とスコットランド戦に向けた一致団結会を開催したいと思って頂ければ嬉しいです。

開催案内は以下の通りです。

開催日: 平成27年9月22日(火)
タイトル:スコットランド戦 前夜祭 
Japan Night で盛り上がれ❕
場所: The Albion 2階 (貸し切りになります)
住所: 2/3 New Bridge Street, City of London, EC4V 6AA
電話: 020 7583 0227
HP : www.thealbionlondon.com
開始時間: 18時~(2時間半ほど)
参加人数: 50名ほどを予定
参加費: 1人£15(現地で現金払い)
費用に含まれるもの: 場所代、食事代
スタイル: ブッフェ形式の立食スタイル。飲み物は各自バーにて購入をお願いします。
特別ゲスト: 元日本代表 坂田正彰氏
      (いろんなお話が聞けますぞ)
企画者: イーマトラベル 松本(法大ラグビーOB)
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場所は、セントポール大聖堂を背中に、徒歩5分ほどの場所。最寄駅は地下鉄Blackfriars駅もしくはNational RailのCity Thameslink駅。あるいはピカデリーサーカスからバス23番などで。

参加ご希望の方は
http://www.eama.jp/contact/index.html
からメールを!

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