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伊藤雅雄  インバウンド旅行研究家
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日本人のイメージとずいぶん違う? 中国の「中華料理」


2015年8月12日

日本人のイメージとずいぶん違う? 中国の「中華料理」
いうまでもなく、中国は中華料理の故郷。ただ現地の料理は日本人が思っている中華のイメージとはずいぶん違う……。

中国では「ラーメン」は日本の代表料理?

 日本で代表的な中華料理といえば、たいていの人が「ラーメン」と答えるだろうけど、中国の人は「ラーメンは日本の代表的な料理」と思っている。ちなみに、ラーメンを中国語にすると「拉麺」。「引っ張って作る麺」という意味だが、中国ではあまり一般的でなく、甘粛省・蘭州の郷土料理「牛肉拉麺」くらいしか実例がない。
 一方、焼きギョウザや五目炒飯、酢豚、麻婆豆腐など、日本の中華料理店のお決まりメニューは中国でも食べることができるけど、それぞれ出自となる地方が違うため、1つのレストランですべてを扱っている場所はないんだ。中国語では一般的に、焼きギョウザは「鍋貼」、五目炒飯は「楊州炒飯」、酢豚は「古老肉」、麻婆豆腐は「麻辣豆腐」とそれぞれ呼ばれているよ。

地域によって異なる材料や味

 中国は国土が広い分、地方によって味や材料の傾向が全く違うんだ。中国ではことわざのように「東酸・西辣・南甜・北鹹」と言われる。これは、北京を中心に、東方(山東省あたり)の料理は酸味があり、西方(山西省あたり)の料理は辛く、南方(現在の華東地方)の料理は甘く、北方(現在の東北地方)の料理は塩辛いという意味。
 ただ、現在の中華料理の傾向はこの言葉の状況とはずいぶん様子が変わっていて、唐辛子や山椒の辛みが強い四川料理や、薄味のスープで味を仕立てる広東料理が有名だ。

中華料理 中国料理

伊藤雅雄  インバウンド旅行研究家
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伊藤雅雄(いとうまさお)
大学在学中に、中国語と比較文化論、シルクロード史などを研究。卒業後、旅行代理店に就職するも、1997年の香港返還を機に、エッセイやコラム執筆、書籍制作に携わる編集者兼ライターに転向。過去25年以上にわたり、添乗や視察、取材などの目的で日本人が行きそうな外国の街のほとんどを訪れている。特に中国をはじめとするアジア各地に土地勘がある。

2007年夏より英国・ロンドンに在住。2014年からは「日本最大級の旅行情報サイト・トラベルコちゃん」のレポーターとして従事しているほか、バーチャル編集プロダクション・Watch! CLMBの編集主幹として、アジアの新興国に関する書籍の制作に携わっている。
著書に、日本を訪れる中国人観光客について論じた「中国人ご一行様からのクレームです(三修社刊)」がある。

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