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中国の地方都市ってこんなところ


2015年8月8日

中国の地方都市ってこんなところ
中国では「歴然とした街ごとの格差」がある。田舎の街ってどんなところなのだろう?
日本のように全国どこでもインフラが一定のレベルに整備されている国と比べると、中国の社会環境は依然として地域によって大きなムラがあると言わざるを得ない。ここでは、中国内でも開発が立ち遅れている「四線都市(※)」レベル以下の街はどんな場所なのかについて説明してみよう。おそらく、こういった発展途上エリアに向かう出張者は数的に見て「まれ」だと思うが、現実に中国では「歴然とした街ごとの格差」があることを知っておきたい。
※中国では、街の発展度(インフラの成熟度)によって、「一線都市〜六線都市」というランキングがつけられている。

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"LonggangZhen-street-0030" by User:Vmenkov - Own work (own photo). Licensed under CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons.


"LonggangZhen-street-0030" by User:Vmenkov
Licensed under CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons -

【地理環境】

まず、四線以下の街のロケーションは、最寄りの空港からかなり離れた場所にあることが多い。鉄道でも特快(特急のこと)は停車せず、1日数本ある直快か快客(急行レベル)でようやくたどり着ける、といった感じだろう。長距離バスの便も近隣の大都市から出ているかもしれないが、所要時間は片道2〜4時間かかると想定される。しかも、高速道路は目的地まで繋がっていないかもしれない。

【宿泊機関】

宿泊機関は、外資ホテルの進出はまだなく、最も良い施設は地元の官公庁が会合やパーティーに使っている「昔からある建物」。残念ながら、改装は進んでおらず、サービスもパッとしない。とりあえず、泊まれれば良い、というレベルだろう。このような場所での朝食は伝統的な中華料理で、トーストがあってもパンそのものが甘かったり、粉が悪かったりと残念ながら美味しくない。コーヒーもきっとインスタントだ。客室のシャンプーや石鹸もかなり質が落ちる。

【飲食施設】

レストランなどの飲食施設を探すのもたいへんだ。ファストフード系のチェーン店もなく、良くて「見よう見まね」で運営しているフライドチキン屋さんがある程度。西洋料理系のお店を期待するのはまず無理で、地元のちょっとお金持ちが入る大げさな中華レストランがある程度だろう。もともと中国では「一人でご飯を食べる習慣がない」ことを思い知らされるのはこの時、たくさんは食べられないから、とチャーハン一杯で許してもらうしかなさそうだ。写真の付いたメニューが出てくるはずもなく、街の食堂で麺を一杯食べるのにもそれなりの努力が必要だろう。

【ショッピング】

お店に関しても推して知るべし。外資の導入は図られておらず、昔からの百貨店が街の中心地にあって、あとは個人商店が軒を連ねる程度だ。だから、こういった街に入る前には、事前に身の回りの最小限のものを準備しておくことをお勧めしたい。

【治安と街の雰囲気】

治安状況は田舎だから極端に良いとか悪いといったことはない。困るのは街の人々が外国人慣れしていないこと。言葉がわからない出張者が滞在すると、ホテルや食事でかなり苦労するだろう。

【現地での交通機関】

現地の交通機関、足の確保も頭がいたい問題だ。タクシーがそこそこ走っていたらまだしも、やむなく市内バスに乗らねば動けない、といったことも想定しておかねばならない。地図が手に入れば良いが、無理ならスマートフォンやタブレットにあらかじめ必要なデータをキャプチャーなどで取り込んでおこう。街中でネットに繋げようにも、そもそも4Gレベルの信号が来ていることは期待できない。
タイトル写真:In downtown Maoping Zhen, the county seat of Zigui County, Hubei (Photo by Vmenkov/Wikimedia Commons)
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