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大畑選手のトライで大興奮=フツーの主婦が99年W杯「ウェールズx日本戦」を観た!


2015年7月31日

大畑選手のトライで大興奮=フツーの主婦が99年W杯「ウェールズx日本戦」を観た!
いまを去ること15年前、フツーの日本人主婦が「満席のカーディフ・ミレニアムスタジアム」で日本戦を観戦した際のお話です。
カーディフにW杯を見に行くってことになったんですけど、「7万人以上が集まるラグビーの試合」と言われても想像ができないし、日本ではそんな規模でラグビーの試合が行われたことはないですよね。その前に秩父宮へは主人に連れて行かれたことがあるんですけど、当時は「ふーん」って感じで。ルールもよくわかってなくて(笑)。

試合前日、ロンドンから「ガラガラの電車」でカーディフに着きました。駅前にもなんだか全然人がいないんです。まぁ、街の中心にある小さな商店街が旗で飾られていたり、ラグビーの迫力あるポスターがあったり、ラグビーショップが少し混雑していたり、とそんな程度でした。でも全体的に平穏な感じで「いったい、8万人近い人たちが本当に明日集まるのだろうか?」と怪訝な気持ちで過ごしてその日は終わりました。

ところが、当日の朝、ホテルの窓から外を見たらびっくり!

街中にウェールズのチームカラー、赤い色が溢れているのです。
地面が全部「赤い」そんな感じで。えっえっ、試合開始ってお昼過ぎなのに朝食前からなんとこんなスゴいことに。
黄色い花の「かぶり物」をつけた女性ファンもたくさん歩いています。たぶん、家を出てくる時からつけてくるんのですよね。

駅からレッド・ドラゴンの描かれた大きな旗を背中に巻いて悠々と街へ向かう一団、「ウェールズ!ウェールズ!!」のかけ声が勇ましい。
パブに行けば、「せっかく日本から来てくれたんだから、まぁ一杯飲んで行け!」と始まる前から「ノーサイド状態」
日本より自分たちの方が絶対に強いから、とかそんなことも全く抜きで「大歓待」してくれました。もうちょっと言葉ができれば、もっと盛り上がったんでしょうけどね。
あー、これはもう勝負あり、既に負けてる、日本は……客にも負けてる

すっかり飲まされたあげく、繁華街からスタジアムを目指しました。

当時、W杯開催のために建設されたミレニアム・スタジアム。
出来上がったばかりのピカピカのスタンドは、ウェールズファンでびっしり!真っ赤に染まっていました。
おもしろいことに、みんなそれぞれに買ったはずのチケットなのに、自分の回りには日本のサポーターが100人以上も集まっていてなんだか不思議でした。
試合前にはちょっとしたセレモニーやイベントもあるんですけど、こういった映像はなかなか流れて来ませんよね。選手たちも念入りにアップする様子とかもしっかり見えて、「やっぱり生観戦がいいなあ」って思いましたよ。

さぁ、いよいよ試合。
お決まりの国歌斉唱が、と思ったら、ウェールズの国歌ってスゴい。
斉唱じゃなくて2部合唱!低音役と高音役がそれぞれいるらしく、みごとに歌声がスタジアムに響き渡るんですよ!
(またまた敗北感。)
でも、私たち日本人サポーターも精一杯歌いました。
あんなに気持ちよく「君が代」を歌ったことは、生涯初めてだったかもしれません。

みんな本当にラグビーが好きで、どんなことでも見逃さないといった真剣さで試合を見ています。

審判よりジャッジが早いこともよくあるんですよ。
歓声や、大きなため息や、惜しみない拍手、ブーイング、ウェーブ、合間のビール、絶妙のタイミングで始まるウェールズの応援歌。
ラグビーを見ることの幸せを噛み締めることができます。
ラグビーを見ることがこんなに楽しいなんて……といった感じです。

試合は、15-64で日本が敗れました。

でも、前半18分に大畑選手のトライが決まった時は、日本人サポーターだけでなく、周りのウェールズサポーターからも大きな拍手が起きました。
あの大歓声は今でも忘れられません。
大畑選手にパスが回った瞬間、彼が走るべきスペースが見えたんですよね。一瞬にして。
私、誰よりも早く立ち上がっちゃって。「大畑、行けー!」って叫んでました。
☆当時の報道です……
http://www.asahi.com/paper/sports/rugby-wcup/1004-5.html

試合が終わった後の街は、どこのパブも興奮の冷めない観客で大にぎわいでした。
一緒に写真に納まったり、応援グッズの一つ、リーク(西洋ネギ)の形をしたビニール玩具に喜んで突っつかれたりしました。
たとえ、日本が試合に勝ったとしても、地元の人たちの温かい対応は変わらなかったと思います。
相手チームへのリスペクト、それは応援するファンにも向けられるものなのですね。
観戦するときは日本人としての誇りを持って、次もスタジアムで日の丸を力強く振って応援したい、と思いました。

今年はラグビーの母国イングランドにW杯が開かれます。ぜひ、シルバーウィークを使って生観戦を目指してください。
そして、次回のラグビーW杯18年日本大会の盛り上がりにつながるような、日本代表の活躍を期待したいですね
☆で、その大畑選手の談話。
実はこの主婦の方、と全く同じお話をしています。
朝起きて、ホテルの窓のカーテンを開けたら、街が(ウェールズ応援団で)真っ赤っかになっていました。
http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/otherballgame/2015/07/11/w_8/
「大畑さんも同じこと言ってるみたいですが……」と取材後に聞いたら、「代表と同じホテルに泊まってたんですよねーーたまたま……」と。
海外遠征では、ファンと宿が同じなんてことが普通にあるんでしょうか?

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