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所要時間は45秒・運航距離100mの国際フェリー航路【The 国境オタク・其の一】


2015年7月20日

所要時間は45秒・運航距離100mの国際フェリー航路【The 国境オタク・其の一】
国境越えを生き甲斐に「越えたボーダー」は数知れず。記者自身で歩いて撮った「国境」の様子を片っ端からご紹介します。さて、どんなところが出てくるやら。
1回目は、ルクセンブルクとドイツの国境から。
 欧州の小国のひとつ・ルクセンブルク。いまもむかしも「税金が安い国」として、周辺国の人々には重宝がられている。付加価値税(日本でいう消費税)はわずか3%と、軒並み20%前後のEU諸国とくらべて飛び抜けて安い。その上、お酒やたばこに付加される諸税も安いため、国境付近は隣国からやって来る買い物客でいつもにぎわっている。
 日本の学校では、ルクセンブルクを「ベネルクス3カ国のひとつ」として習うが、実際に行ってみると首都・ルクセンブルクの街は「フランスの雰囲気」が色濃い。道路標識はフランスと同じ意匠で、かつ言語もフランス語がメイン。もっとも人々はドイツ語、英語とのトリリンガルが当たり前だ。
 今回紹介する「国境」は、ドイツとルクセンブルクにまたがる部分。道路と鉄道は「ワッサービリッヒ(Wasserbillig=ルクセンブルク側)/イーゲル(Igel=独側)」の間を流れるサウアー(Sauer)川にかかるを結ぶ橋でつながっており、ルクセンブルク側にドイツからの買い物客が続々とやって来る。
 ワッサービリッヒはワインの産地で有名なモーゼル(Mosel)川に面しているが、川の向こうはドイツ領オバービリッヒ(Oberbillig)だ(以下の地図参照)。ワッサービリッヒ/オバービリッヒを隔てるモーゼル川の川幅は100mちょっとと、泳いでも着きそうな距離だが、ここに「国際フェリー航路」が設けられている。あっちからこっちへの所要時間は45秒。運賃は歩行者が0.80セント(100円)。時刻表はなく、なんとなく利用者がいたら動く、というのんきな船だ。しかもオフシーズンの日祝日は休航と「需要に応じた運航」を行っている。


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サウアー川にかかる国境の道路橋

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陸路国境に必ず表示されている「国の入口の表札」。これはルクセンブルクのもの。

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こちらはドイツ側に入ってすぐにある標識。

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向こう岸(ドイツ側)で車を搭載中の「フェリー」

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青い標識は「ドイツはあちら」という意味。船は不定期に行ったり来たり。

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ドイツ側に向かうルクセンブルク国鉄の2階建て電車。国境の橋を通過中。

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お酒もたばこもとにかく安い。国境の街にはこんな店が立ち並ぶ。

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たばこの葉はすべて「桶売り」。1カートン分買って約1300円(10ユーロ)くらい。

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「マルボロ」の箱は実はフィルターと紙部分のみ。これに葉を詰めて吸う。

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ルクセンブルク側国境駅のワッサービリッヒにて。
ワッサービリッヒ駅(ルクセンブルク)までは、ドイツ・コブレンツ(Koblenz)から急行列車で約2時間。国境の道路橋まではワッサービリッヒ駅から約1kmドイツ方向に歩く。ワッサービリッヒとオバービリッヒ間の渡し船の波止場は国境の道路橋から駅寄り約200mにある。
【The 国境オタク】ネタが尽きるまで毎週1回掲載予定!

ルクセンブルク 国境

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