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人民元に両替するのに「お得」な方法は?


2015年7月18日

人民元に両替するのに「お得」な方法は?
中国の通貨は人民元。日本円を持っていてもそのままでは支払いができないので、人民元に両替しよう。最もお得な両替の方法はなんだろう?

業務手数料を取る中国の両替所

 日本で外貨両替をする時のことを思い出してみよう。銀行や両替カウンターで「両替手数料」を取られた経験のある人はたぶんいない。日本では、銀行が確保したい手数料は「両替レートの中に加算されている」ためだ。
 一方、中国をはじめとする国外の両替所では、外貨の売り買いに乗せている手数料とは別に、「両替一回につきいくら」という業務手数料(ハンドリングチャージ)を別途取っている。この金額は、国によって「両替額の何%(下限はいくら)」という形態を取っているところもあるが、中国では両替の業務手数料を一回につき一律50〜60元(約1,000〜1,200円)と定めている。
 そのため、例えば1万円だけ人民元に両替すると、手数料が一割前後に達してしまうので要注意だ。5万円ほど替えると業務手数料の割合は全体の2%まで下がる。

少額だけ人民元が欲しいときは

 では、少額だけ両替したい人はどうしたらいいだろうか。
 最も簡単なのは、現地の現金自動支払い機(ATM)から日本発行のクレジットカードなどを使って人民元をキャッシングで引き出す方法。為替手数料は「レートの中間値+3%程度」プラス若干の利息が付くが、5万円くらいまでなら現金から空港の両替カウンターで両替するよりはお得と見て良い。

日本での人民元現金の入手

 一方、日本で人民元を入手してから現地に行く、という選択肢もある。空港の両替カウンターをはじめ、町中の金券ショップや両替商などで円貨現金から人民元への交換を受け付けている。ただ、ここでも手数料に注意しよう。為替レートは店先に「売り/買い」という形で表示されている。この売り買いの差が発生するのはいわゆるFX(外国為替証拠金取引)と同じく、為替取引でのお約束事だ。
 「売り」は外貨を売って、日本円を得る時のレート。一方「買い」は日本円で外貨を買った時のレートだ。一般的に「買い」のほうが数字は小さい。
先に述べたように、日本では両替手数料が「交換レート」にまぶして加算されている。そのため、「売り」と「買い」の差が大きければ大きいほど、銀行が取る手数料が高い、というわけだ。編集部が調べたところでは、中国の銀行レート(前述の業務手数料を除く)よりも日本での実勢レートの方が一割ほど悪い。初めて現地に行く人など「手元に現金にないと不安」という人は、日本で人民元を入手しておくと良いかもしれないけれど、現地の事情が分かっている人は現地に着いてからの調達を考えてはどうだろう。

どんな両替方法が最も有利か

 編集部のお勧めは「ATMでのキャッシング」だ。しかし、4〜5日間の滞在で一日1万円(約500元)使う見当なら、中国の空港到着時に5万円を一気に交換するのも良いオプションだ。
 現在、中国では主要都市のホテルやレストラン、日本人が出入りするような大型ショッピングセンター、デパートでは日本発行のクレジットカードがそのまま通用するので、手持ち現金について気にする必要はさほどない。
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