世界ガイド
巣内尚子(すないなおこ)
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ベトナムのストリートチルドレンに職業訓練を(2) 西湖のそばの職業訓練センター


2015年12月27日

ベトナムのストリートチルドレンに職業訓練を(2) 西湖のそばの職業訓練センター
ベトナムでの職業訓練のようすを見てみたく、現場を訪ねてみることにしました。
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KOTOをもっと知りたいと、私はある日、ベトナムの首都ハノイ市にあるKOTOの職業訓練センターを訪ねた。KOTOについて知った私は、なんとか取材をしたいと何度かKOTOのホームページにメールを送ったところ、KOTOのスタッフが取材に応じてくれることになったのだ。向かったのはハノイ市のタイホ―区だった。

さまざまな人が集まる西湖のまわり

ハノイ市は、湖の多い街だ。漢字では「河内」と書く。この言葉の通り、この街に来ると、河の中の飛び地にいるような感覚に陥るほど、あちこちで湖が目につく。湖とハノイ市の人々の暮らしは密接だとも感じる。市内の中心部に位置するホアンキエム湖は、観光地としても知られるほか、多くのハノイ市民が集まる憩いの場にもなっている。
さらに、市内で最も規模が大きい西湖はハノイの人々にその美しい景観を愛され、若者や家族連れが集まる場所でもある。KOTOの物語に欠かせない重要な場所が、この西湖周辺のタイホ―区だ。西湖周辺のタイホ―区は閑静な家々と庶民的な空気が混在した不思議な雰囲気を持つ。
この地域は、市の中心部からノイバイ空港に向かう途中に位置する。湖の周りには、「ビラ」と呼ばれる一軒家がいくつも建てられ、市内でも閑静な住宅街として知られている。 木々や草花に囲まれたビラは、落ち着いた雰囲気で、人気が高い。ビラ以外にも集合住宅が建てられている。
ビラや近隣の集合住宅には地元の高所得層が暮らすほか、外資系企業が海外の政府機関などの駐在員も暮らしている。周辺には外国人客をターゲットにしたレストランやカフェも少なくないなど、道を歩くと多国籍な雰囲気がある。
その一方で、少し小路にはいるだけで、庶民の暮らしも垣間見ることができる。路肩にはフォーやブンチャーといった地元料理の屋台、野菜や肉類の露店が並んでいる。露店の店先では高校を卒業したばかりくらいの若い女性たちが、細い体をふるにつかって肉を焼いたり、食器を洗ったりしている。目が合うと、にっこり笑いながら「食べていって」と呼びかける。
道端にいすを出し、鏡を木にくくりつけた即席の床屋さんもある。そうかと思うと、菅笠をかぶった年配の女性たちが日焼けした顔で自転車に乗せた果物や花を売り歩く。自転車に載せられた大量のバラやハスの花はなんとも言えず美しいが、自転車を押しての行商は相当にきつい労働と見え、女性たちの顔は疲れがにじむ。

若者支援と事業を組み合わせたソーシャルビジネス

そうやって歩きながら、西湖の近くにあるKOTOの職業訓練施設「KOTOハノイ」にたどり着いた。近くの通りには、洋服などを売る個人商店やレストランが立地する。外国人が多い地域のため、すぐそばに外国人の子どもたちが通っている国連インターナショナルスクール(UNIS)ハノイ校があるほか、インドネシアのコングロマリット(複合企業)チプトラグループが開発した高級住宅街もある。
こうした環境の中、KOTOの職業訓練センターは調理施設など訓練設備やオフィスを備えている。
このさまざまな人が集まる西湖の周辺で、この職業訓練センターは多数の訓練生に職業訓練を提供してきた。
ベトナムではまだまだ新しい若者支援事業とビジネスとを組み合わせたソーシャルビジネスを行うKOTOには、たしかにこの多国籍とベトナムの庶民的な風情が入り混じる西湖周辺の環境はよくあっているように思える。(続く)

ベトナムでの職業訓練

巣内尚子(すないなおこ)
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