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巣内尚子(すないなおこ)
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ベトナムのストリートチルドレンに職業訓練を(1)=Know One Teach Oneを掲げる若者支援団体


2015年12月20日

ベトナムのストリートチルドレンに職業訓練を(1)=Know One Teach Oneを掲げる若者支援団体
Know One Teach One――、ひとつ学び、ひとつ教える。ストリートチルドレンなど不利な立場に置かれた若者に職業訓練を提供しているのが、ベトナムの若者支援組織「KOTO(コト)」だ。どのような組織で、どんな取り組みをしているのか。
Know One Teach One――、ひとつ学び、ひとつ教える。このメッセージを掲げながら、ストリートチルドレンなど不利な立場に置かれた若者に職業訓練を提供しているのが、ベトナムの若者支援組織「KOTO(コト)」だ。経済成長の一方、経済格差が広がる上、貧困問題を抱えるベトナムで、KOTOはいま、チャンスに恵まれなかった若者たちの未来を変えようとしている。KOTOとはどのような組織で、どんな取り組みをしているのだろうか。KOTOの動きを追っていきたい。

職業訓練を無償で提供

「Know One Teach On」というメッセージから読者はなにを思うだろうか。
このメッセージの頭文字から名前を付けたKOTOは、ベトナムでストリートチルドレンをはじめとした不利な状況に置かれた若者を対象に、職業訓練を無償で提供することを主目的に活動する組織だ。
ベトナム系オーストラリア人のジミー・ファム氏が設立した組織で、職業訓練にとどまらず、レストラン経営やケータリング事業などの事業活動もあわせて行うことにより、事業の原資の一部を確保している。寄付や支援だけに頼るのではなく、事業活動により活動資金を確保し、持続可能な事業モデルを打ち出そうと尽力していると言えるだろう。

成長と格差とチャンスの喪失

ベトナムは、1986年の改革開放政策「ドイモイ(刷新)」を経て、経済成長へと舵を切って以降、外資の投資が活発化しているほか、個人所得も伸びている。これまでの生産拠点としての位置づけだけではなく、消費市場としても脚光を浴びている状況だ。
しかし、この国では、さまざまな要因により学校を途中でやめざるを得なかったり、職業スキルを見につけられなかったりした若者がいる。成長に乗れなかった人々がいるのだ。

再挑戦の場を

そんな中、KOTOはチャンスを得られなかった若者が社会の中で再挑戦する機会を与えている。
現在までに、多数の若者がKOTOで職業訓練を受け、調理やサービスなどの職業スキルを身につけ、社会に巣立っていった。
その多くがホテルやレストランなどに就職し、収入を得ることができている。
KOTOで職業訓練を受ける前は、貧困状態に置かれ社会的に孤立し、教育を受けるチャンスに恵まれなかった若者たちだ。貧困から抜け出すことはそのままで非常に難しい状態であったが、KOTOでの職業訓練により自立するためのスキルを得ているのだ。こうして若者の就労支援活動を持続可能な形で実施しようというKOTOのあり方は、ベトナム国内だけではなく、海外からも注目されている。(続く)

ベトナムでの若者支援

巣内尚子(すないなおこ)
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